2011年5月28日土曜日

大正の美意識と遊び

30日まで、江戸町人の美意識〜『残したい美しいもの・渡辺八重子展』を開催中です。江戸時代から続くちりめんなど絹の細工物の技術を継承し、次の時代に伝えようと努めていらっしゃいます。本当に小さな小指の先ぐらいの布まで、捨てずに丁寧に継ぎ合わせ使ってきたかつての暮らし方に頭が下がります。しかも、美しく、季節感のある形が楽しいのです。椿、桜、かきつばた、金魚、ホオヅキ…。
工夫しながら、楽しんで針を進めた女たちの姿が浮かびます。縫うという技術も生活から遠くなりました。便利な大量生産の時代は、多くの暮らし技術を失わせたのだとあらためて思います。半襟を附けるのが、やっとという自分が恥ずかしく感じます。
また、渡辺さんのキモノの見事な着こなしを見ていただきと思います。
今日は大正時代の柳模様のキモノに刺繍の帯。お太鼓いっぱいに狆(チン)が刺繍されています。そのデザイン性の高さ、技術の巧みさに目を見張りました。
ぜひご覧いただきたいと思います。
渡辺八重子さんには最終日の30日まで在廊いただきます。