2012年3月1日木曜日

木曽の木地師を訪ねて

写真は木曽の漆の特色のひとつ、へぎ目のお弁当です。へぎ目は、檜を縦に割ってその磨かない自然な美しさを見せる、木曽の漆の代表的な技法のひとつです。今日は木曽福島に住み、今も仕事を続ける九十五歳の木地師、村地忠太郎さんを訪ねました。元気にお話をしていただき、仕事場も見せていただきました。
今も毎日仕事をするという村地さんのお顔はツヤツヤです。
漆を塗る塗師とその木地を作る木地師は分業です。かつてその両方の職人を合わせると、木曽福島だけで二百人いたといいます。
この数十年で食卓の器が、漆からプラスチックに変わり、木曽福島で職人は、九十五歳の村地さん一人を残すだけになりました。
お父さんの代から使って、使い込まれた道具の数々・・
こういう技術が消えていくのは仕方ないというには、あまりに惜しいという思いでいっぱいになりました。『村地忠太郎と木の匠たち展』はガレリアで四月二十八日から五月八日まで開催します。